ベトナムで求められる英語力【就職編】

海外(ベトナム)で就職となったときに気になるのが言葉の問題。語学に自信がないけど海外で働いてみたいと思う方はたくさんいます。本記事ではベトナムで働くにあたって必要な英語事情について解説します。

ベトナムは語学ができなくても就職できる?

巷で掲載されている様々なウェブサイトでは「ベトナムは語学ができなくても就職できる国」という位置づけとなっています。これについては私も否定しませんし、実際これまでにも語学ができない方を何人も企業へ紹介してきました。しかしそれで「語学が不要」と考えるのは早計です。確かに求人でも語学不要なものはそれなりにあります。そういった意味で語学ができない方にも比較的就業できる門戸が開かれている国と言えますが、仮に就業ができたとしても中長期的な視野で考えるとやはり語学は一定レベル程度できておくべきだと考えます。以下でその理由を2つ挙げます。

今後のキャリアに影響を与える

ベトナムで現地採用として採用された場合、その就職先のままで生涯勤め上げるというケースは稀で多くの方は数年後に他の企業へ国内転職をするか日本へ本帰国して再就職をします。その際ベトナム国内で転職活動をする場合、やはり語学不要の求人のみが選択肢となると数が限られますし、たとえベトナム国内での就業経験があったとしても苦戦を強いられやすくなります。一方日本で再就職であれば語学にこだわらない求人も相当にあると思いますが、海外で就業経験があるとある程度の語学力はあるだろうと採用側に期待されやすくなりますので印象の部分で少なからず影響はあると言えます。

社内での立ち位置

語学ができないとなるとコミュニケーションを図る上で相手(ベトナム人)に自分の言語(日本語)を求めることになります。ベトナムは日本語話者が多いのでそういった環境も珍しくはありませんが、「語学ができる日本人」なのか「語学ができない日本人」なのかで社内のベトナム人の見る目は変わるものです。日本人は一定の役職付きで採用されることがほとんどで、給与も現場のベトナム人よりも普通は高くなります。その上で社歴、業界経験が少なく、且つ語学も全然できないとなると部下からリスペクトを得るのは難しくなるものです。それでも振る舞い次第で現場スタッフと良好な関係を築くことは可能ですが、環境によってはそういった事態に陥る可能性もあります。

ベトナムでは社内の公用語が英語という日系企業もたくさんありますが、会議などでバリバリ英語でディスカッションができるほどの英語力を求める求人は多くありません。ですので入り口は英語ができない状態で就職したとしても、就業を通じて自身の英語力を一定レベル以上まで引き上げる心構えは持っておくべきでしょう。

ベトナム語はどうだろうか?

最近では若い世代を筆頭にベトナム語を学習している方も増えていて、以前よりはベトナムができるという方が増えたように思います。ただビジネスレベルで使いこなせるという方はまだまだ稀有で、そういった事情から求人でビジネスレベルのベトナム語を求めるものはめったにありません。またベトナム語がビジネスレベルでできても英語が全然できないというのは、それはそれで敬遠されやすいのが実情です。ですので英語がそれなりにできる前提で+@ベトナム語ができれば尚良い、といったところになります。

ただ簡単なベトナム語でもちょっとしたやり取りができればベトナム人との距離を縮める手段には十分なりえますので、学ぶ価値はあると言えます。