履歴書の証明写真と人材の相関性

履歴書の証明写真でかなり自由な撮り方をして応募してくる人がいるんですが、そういう写真を送ってくる人と内面にある程度の相関性はあるのでしょうか?

日本語の履歴書の場合はその人材の中身を判断する一要素として捉えてもいいかと思います。

ベトナム人応募者から送られてくる履歴書の写真について、日本の標準とされる証明写真とは大きく異なる写真が貼り付けられていることがあります。こういった証明写真を始めに見ると内面を疑ってしまいそうですが、実際のところはどうなのでしょうか?今回はそういった写真を使用している人材とヒアリングなどを通じて得た経験から感じたことを紹介します。

日本語の履歴書は写真と内面の相関性が少なからずある

写真だけで人の中身を判断してはいけないということは重々承知していますが、ある程度の相関性はあると感じています。もちろん日本基準の証明写真を使用している人でもいい加減な人はいるものですが、やはりこのいい加減かどうかの程度は写真の撮り方にも表れるものです。以下で具体的な写真の形式について見られる傾向を紹介します。

写真屋で撮影して加工修正された写真

最近は証明写真でも加工修正技術が進んでいて、肌のトーンを実際より明るくしたり、シミやほくろを取るといったことも容易にできます。実際に会うと写真より印象が異なる場合もありますが、このケースは特に問題ありません。むしろお金を払ってきっちりとした写真を準備するのは良い心構えだと思います。ベトナムでは写真屋で証明写真を撮影すると細かい修正をされることは一般的で、特別断りを入れなければ修正されたものを渡されます。

自撮りした写真

明らかに自撮りしたもの(どう見ても片手が前方に伸びている写真など)は少し要注意です。片手間で写真を撮っている印象があり、正式に応募するための書類を作成するという観点で意識の低さが窺えます。ただし誰かに撮影を依頼したと思われるスマートフォンでの写真撮影についてはまだ許容範囲と言えます。この場合に見るべきポイントは以下の2点となります。

・背景

無地の背景で撮影されたもの。一応きちんとした写真と取らなければいけないという意識を覗かせます。

・服装

スーツかどうかなどにこだわる必要はありませんが、あまりカジュアルな服装は考えものです。この点の常識はベトナムにもありますので、それができないベトナム人はベトナムでも非常識な人という見方ができます。

写真アプリで加工された写真

遊びで使う写真アプリで加工された写真(頭に猫の耳がついている、背景に天使が飛んでいる、など)をそのまま貼り付ける人材もいます。そんな写真を使う人いるの?と思うかもしれませんが実際にいます。紹介会社を経由して打診を受ける場合は、紹介前に写真の変更をお願いしている場合がほとんどなので見る機会は少ないかもしれません。弊社でこの手の写真を使う人材とヒアリングをすると見送りになる場合が多いです。

(日本語の履歴書サンプルが紹介されているベトナム語サイト。写真の撮り方には言及していない。)

日本企業に履歴書を提出する場合、普通はその国の履歴書フォームはどういった形が一般的なのかを調べるものです。私たちがアメリカ企業に応募するために履歴書を出す場合でも一般的なアメリカの履歴書フォームがどのようなのかを調べるのと同じです。そういったことに意識が向かないというのも一つの判断材料となるわけです。

英語、ベトナム語の履歴書の場合

英語の履歴書の場合は単純に写真だけで中身の判断は難しいです。例えば上に書いたような加工アプリで変なものが追加されている写真などは論外ですが、服装や撮り方は日本語の履歴書と比べて自由度が高いのが英文の履歴書です。本人基準で自分をカッコよく、キレイに見せる写真が優先的に好まれる傾向がありますが、英文の場合はそれほど内面との相関性が見られませんので、日本的な証明写真ではないという理由で評価を下げるのは早計かと思われます。

一方ベトナム語の履歴書は英文の履歴書より比較的きちんとした証明写真を提出してくる人が多いという印象です。ベトナムでも元々は日本の履歴書に貼る証明写真とそん色ないものを使う文化なので、その流れを継いでいるものなんでしょう。ベトナム語の履歴書でカジュアルな写真が使われている場合、英文と両方の履歴書を提出して同じ写真を転用しているパターンがよく見られます。

日本人現地採用の場合

日本人の履歴書の写真は採用者の常識で判断頂いて問題ありません。日本人が日本企業に応募するわけですから日本基準の写真を提出するのは当然です。ベトナムの国内転職者は悪い意味でベトナムナイズされているのか、カジュアルな写真を貼って応募してくる人も中にはいます。ただそういった人は残念ながら面談をしてみても自信を持って推薦できる割合が少なく、転職活動にあたって根本的に意識を改善するよう指導する対象となります。

「直接会ってみるまでは分からない」というのは採用の常ですが、それでも履歴書には実際の経歴以外にも本人の意識が随所に見られます。経歴以外でそのような気になる部分を事前に拾い上げ、その懸念点を晴らしていく形で面接に臨むと、よりその人材の中身を窺うことできます。

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