内定辞退を防ぐ方法はあるか?

入社に合意していた内定者が直前になって辞退したいと言ってきました。内定辞退を防ぐ方法はないでしょうか?

たとえ入社に合意する事前の意思確認がなされていたとしても、残念ながら内定辞退を禁止にすることはできませんが、内定受諾後のフォローなどでリスク軽減は可能です。

採用を決定して迎え入れる準備をしていたにも関わらず直前になって辞退された。これってがっかりしますよね。その人を採用するために他の有力な候補者を見送ったとかであれば猶更かと思います。この半分怒りにも近い感情のやるせなさは独特ですが、企業側が泣き寝入りするしかないのが現状です。ではこういったリスクを少しでも減らす方法はあるのか?今回はその点についてお話します。

そもそも採用通知書とは

採用したい候補者がいると、各種待遇などの条件を記した採用通知書を作成し、入社に合意する場合は候補者にサインを求める企業が多いです。しかしサインをもらったから確実に入社が約束されるかというとそういうわけでもなく、仮に辞退をしたとしてもそこに法的な縛りはありません。企業側にとって入社の強制はできませんので、この辞退は甘んじて受け入れるべきといったところになります。

またこの採用通知書の文化はベトナムのローカル企業ではそれほど一般的ではなく、ローカル企業では面接時や面接後のメールなどで待遇面などの条件をサラッと伝え、実際の入社日当日に初めて書面での契約(労働契約)を交わすというのが一般的です。私もかつてベトナム系企業に勤めていた経験がありますが、やはり似たような感じでした。入社予定日当日に該当の人材が現れず、呆気に取られていた私を脇に「ベトナムではよくあることだから」と笑っていたベトナム人スタッフが思い出されます。

内定辞退リスクを減らすためにできること

先ほども書いたように法的な縛りや入社の強要はできませんので、あくまで企業側の努力として内定辞退のリスクを下げる行動が必要になります。以下で一般的な方法を紹介していきます。

採用通知書の作成

先ほど採用通知書は意味がないような書き方をしましたが、これも一定の役割を期待できます。本人に形上でも入社合意のサインを頂くことで、簡単には反故にできないという意識を植え付けることが期待できます。もちろんそんなものはどこ吹く風な人材もいますが、外資企業(日系)できっちりした書面にサインをしたという自覚は、何もしないのと比べるとやはり一定の効果があると言えます。

入社までのフォロー

意外とできていない企業が多いです。人材紹介会社を介した人材の場合は人材紹介会社のスタッフがフォローしている可能性がありますが、自社で何かしらの媒体から採ってきた人材の場合、とりあえず入社に合意したら「あとは入社日にちゃんと来てね」みたいな感じで放置というのも珍しくありません。

現職がある方であれば退職状況などの確認をこまめにとるのも一つでしょう。内定で入社に合意した時点で他に選考が進んでいる企業はないか聞いておくのも一つかと思います。ここで内定者が正直に答えるかは分かりませんが、一応本人の中で「相手にこう発言したから」という思いから内定を簡単に辞退することはできないという抑止力を働かせることはできます。

自社の従業員スタッフと事前に知り合いにさせておく

入社前にある程度コミュニケーションの取れるスタッフがいるというのは心強いものです。スタッフの入社準備という意味合いも兼ねて、事前に交流する機会を用意するのも一つの手段でしょう。日本の新卒採用でも内定者交流会が開かれるのはこういった目論見もあって、入社までにその会社と一定の関りを持たせておくこと、同期としての結束を持たせることにより帰属意識を持たせるというのは有効な内定辞退抑止になると言えます。ベトナム人同士であればフェイスブックなどのSNSで簡単につながるでしょうから、何かあったときにチャットですぐ連絡が取れるような関係にまで発展していれば、かなり内定辞退のリスクを避けられると考えます。

あの手この手を尽くしても辞退の可能性をゼロにすることはできませんが、リスクを減らすことは可能です。採ろうとする人材の状況に応じてアプローチは変わってきますが、入社予定の人材が入社するまでに企業側がどのような行動をとるのか、こういったマニュアルを備えておくのも一考かと思います。

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