日本の職務経歴証明書を領事認証するまでの流れ【後編】

日本の職務経歴証明書を領事認証するまでの流れ【前編】では領事認証の意味や公文書、私文書の区別、【中編】では実際に領事認証が行われるために必要なプロセスを説明してきました。本記事【後編】では時系列に沿ったまとめと実務上でよく出る質問について紹介します。

職務経歴証明書を領事認証するまでの流れ

①企業から発行される職務経歴証明書を準備する。

➁公証役場に職務経歴証明書を持参し、宣言文に対して公証文書を作成してもらう。

➂法務局にて作成してもらった公証文書の公印証明を受ける。

④外務省で公印証明を受けた文書の公印確認を受ける。

⑤ベトナム大使(領事)館にて同書類の領事認証を受ける。

➁~④はワンストップサービスを実施している公証役場(北海道(札幌法務局管区内)、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県)にて処理したほうが効率的ですが、訪問前にワンストップサービスを行っているか電話確認などを行ったほうが無難かと思います。

実務上でよく出る質問

ここからは領事認証までのプロセスでよく聞かれる質問をご紹介します。

Q:職務経歴証明書に決まったフォームはありますか?どういった内容を盛り込む必要がありますか?

A:決まったフォームはありませんが、内容として

  • 会社情報(名前、住所、電話番号)
  • 個人情報(氏名、生年月日、国籍、パスポート番号)
  • 在籍期間
  • 職種、職位
  • 社印
  • 発行者氏名

が記載されているのが望ましいです。他にも勤務評価があるなど内容が詳しければそれに越したことはありません。ただ企業側で所定のフォームがあり上記の内容全てを盛り込むのが難しい場合などは事前にコンサルタントなどに確認することをお勧めします。

Q:職務経歴証明書は日本語で大丈夫でしょうか?それとも英語またはベトナム語で発行する必要がありますか?

A:日本にある日本企業でベトナム語の職務経歴証明書を発行するのは現実的に難しいと思いますが、英語での発行が可能であれば英語での発行をお勧めします。日本語の職務経歴証明書でも問題ありませんが、ベトナムの労働局に提出する際に同書類の翻訳処理が必要となり、英語からベトナム語への翻訳のほうが対応している店が多く費用的にも安い場合が多いです。

Q:公証役場の人に領事認証を含め一連の流れについて質問できますか?

A:公証人が対応できるのはワンストップサービスの場合、上の➁~④までですので領事認証については質問できないと思っておいたほうがいいでしょう。同じような目的で公証に来た人の対応経験がある場合は知っている範囲で教えてくれるかもしれませんが、あくまで表面的な部分の説明に留まるかと思います。

Q:領事認証の際に認証する書類の翻訳をするか聞かれましたが、どうするべきでしょうか?

A:どちらでも構いませんがベトナム国内で翻訳処理ができますので、時間的にも費用的にも翻訳は依頼しないケースの方が多いです。

Q:公証から領事認証までを本人ではなく代理人がすることはできますか?

A:本人が委任状を作成することにより代理人が領事認証までを完了させることが可能です。ベトナムの国内転職者などで一時帰国が難しい場合はこの手段をとることが多いです。この場合委任状に対する証明処理など別途実務が発生します。

以上、【前編】【中編】【後編】の3部に渡って職務経歴証明書の領事認証について解説してきました。職務経歴証書の内容、申請処理は現地採用者が労働許可書を取得する際に最もネックになることが多く、疑問や質問がよく出る項目です。処理の二度手間や審査に通らなかったということがないよう、都度確認しながら実務に当たることをお勧めします。

Facebook
Twitter
LinkedIn
Pocket
Email

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA