複数の労働許可書を取得するケース

今働いている会社で労働許可書を取得していますが、副業として別会社でも働くことになりました。この場合は別会社でも労働許可書を取得しなければいけないのでしょうか?

労働許可書は一つの会社に特化したものですので、別会社で働く場合はその会社用に新たに労働許可書を取得する必要があります。

サラリーマンの副業を認める会社が日本でも増えてきましたが、ベトナムで働く日本人が副業として別企業に属する場合、新たに労働許可書を取得することを求められます。以下で複数の労働許可書を取得するケースについて解説します。

外国人が複数の企業で働く場合

労働法第19条では「複数の労働契約締結」について規定されており、

①それぞれの企業で締結した契約内容の履行を保証すること

➁社会保険や医療保険、失業保険などの加入及び労働安全衛生に関する法令に従うこと

といったことが義務付けられています。よって外国人であっても複数の企業と労働契約を締結して業務に当たることは上記の義務を果たす限り認められていることになります。

また政令152/2020/ND-CPの第9条第9項には現行の労働許可書に記載されている職位および役職と同じポジションで別の雇用主のために働くことを希望する外国人労働者に対し必要な手続きや申請書類などが記載されており、雇用主は同規定に則った申請が必要となります。

申請に必要な特別な書類

現在取得している労働許可書と同じ職種、役職にて別企業で取得する場合、既存の労働許可書を使用して追加申請するという形となります。必要な書類として特徴的なのは、現在働いている企業(現行の労働許可書を取得した企業)の在職証明書が必要というところです。これは現行の労働許可書を基に追加申請するために必要とされるもので、新しい会社で同労働許可書を用いて就業許可を出せるかどうかの判断材料の一つとして用いられます。また追加申請の場合は健康診断や職務経歴書、学歴証明などの提出が免除され実務上の手間がかなり緩和されます。

ただ追加申請は在職証明書の発行が必要なことから隠れて副業をすることに対するハードルが上がることとなり、そこがネックとなっている労働者も少なくありません。

同じ職種、役職で働かない場合は?

同じ職種、役職で働かない場合はもう一つの労働許可書の新規取得という形になりますが、この点については少し役所も反応が鈍くなります。と言いますのも本来ベトナムで外国人が働く場合、「その外国人でなければ務まらない専門性をもった者」が条件として求められるので、「労働者の都合に応じて複数の専門性があるというのはおかしいのではないか?」という見方がされるためです。労働許可書を取得する際には建前上でもその人の専門に特化した職務経歴を提出して申請していますので、状況に応じて他の専門性が出て来るのは不合理だという理屈です。

外国人労働者は複数の企業で働く場合、それぞれの企業先で労働許可書を取得する必要があります。その仕事が現行の労働許可書と同役職、職種である場合は現行の労働許可書を用いて追加申請し、そうでない場合は一から取り直すという処理となります。ただし取り直す場合は現行の労働許可書を取得する際に申請した内容と矛盾する点などがある場合は当局から指摘されるリスクもありますので、その点に注意を払って進める必要があります。

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