日本人現地採用者の書類選考見送り理由統計

どういった履歴書は書類選考を突破しやすいんでしょうか?

よくある見送り理由を参考に自分の経歴を客観的に見てみることをお勧めします。

書類選考で見送りになった際に弊社ではその見送り理由を確認、集計するようにしていますが日本人現地採用者の見送り事例はどのようなものが目立つでしょうか。今回はその集計結果に私見を交えながら解説します。採用側、応募側の双方に参考になれればと思います。(集計数:計73選考)

書類選考見送り理由の典型例

以下では書類選考見送り時によく聞かれる典型理由(全体の7割程度)について紹介します。

①職務経歴の不一致(31%)

もっとも多い見送り理由となります。同業界での経験がない、同職種での経験がないといったところが多く、応募者の年齢が高いほどその可能性は上がります。求人などで「未経験者でも応募可」としていると職務経歴で一致する部分がない応募者が必然的に増えますが、上の理由で見送りになることもありますので未経験でも応募可としつつも一定のフィルターが存在していることが窺えます。

②年齢(23%)

日本と比べて募集の年齢制限にそこまで厳しくないベトナムですが、内々での年齢基準はあるものです。年齢が上がるとどうしても職歴を厳しく見られるようになるため、上の職務経歴と並んでよくある見送り理由となります。時々コンプライアンス上の理由から見送り理由に年齢を挙げることをためらわれる方がいらっしゃいますが、見送り理由はエージェントや求職者が次の企業に応募する際の参考となりますので、妥当な事情であれば正直にお伝え頂いて問題ありません。

③過去の転職履歴に一貫性が見られない(22%)

「転職履歴が多い」や「短期間での離職(1-2年)」が目立つというのもよくある見送り理由としてありますが、同じく過去の転職歴に一貫性が見られないというものがあります。例えば業界や職種が都度変わっているなどは自身のキャリア形成に計画性を持っていないような印象を与えますので、専門的な仕事を期待する採用者からは敬遠されやすくなります。逆にたとえキャリアに一貫性が見られないとしても採用者を納得させられる理由を持っている人はこの部分をクリアできることがあります。

一定の企業、人材に当てはまる見送り一例

以下では数としてはそれほど多くはないものの一定の企業、人材にあてはまる例を紹介します。

学歴

労働許可書の取得要件のためではなく同じ大卒の中で出身大学のレベルを選考基準としているケースも見られます。営業職にその傾向が見られやすいですが、過去に採用した人たちを鑑みて、一定ラインの学歴以上でなければパフォーマンスの発揮が難しいと感じた経験に依るようです。元々高学歴者の母数が少ないということもありますので、学歴を気にする企業としては偏差値50前後が一つの基準になるでしょうか。

クセが強そう

ベトナム在住歴が長い方に見られる見送り事例です。例えば普通に企業勤めをしているだけでなく、自分でビジネスをしていた方、書類上では一見何をやっているのかよく分からない活動経歴のある方などが当てはまります。実際に面談すると至って普通なんですが、その辺りの書類上のアピールが逆に仇となるケースもあります。これは応募する企業や採用担当者との相性にも左右される部分となります。

悪い噂を聞いた

狭い日本人社会ですので「自分の仲の良い知り合いがいる会社に勤めていた」というのは珍しくありません。その知り合いにその人材がどんな人かを聞いてみるというのもよくある話で、その評判が芳しくなかったので見送るということもあります。これも十分参考にはなりますが、それが客観的な評判でなければあまり鵜呑みにするのも考えものです。

現地採用者はその特性上、一つの企業で長期間勤務する割合が低く、ベトナムでの国内転職の数が増えるにつれてジョブホッパー的な見られ方をされるリスクが上がってしまいます。そう見られないための意識や努力は現職でのパフォーマンス向上や将来的な転職活動の成功に繋がってくると考えます。

次回は「面接の見送り理由統計」について解説します。

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