ベトナム人の個人証明:ICチップ導入の流れ

2022年7月よりベトナム人のパスポートが新タイプのものに変更されると聞きましたが、旧タイプのものは引き続き使えるのでしょうか?

2022年度より前に発給されたパスポートは旧タイプのものも記載の有効期限まで引き続き使うことができます。

ベトナムのパスポートが2022年7月より新しいタイプに変わることにより、その前後で出国予定のあるベトナム人の間で一部混乱が起きているようです。本記事では現行規定の他、旧タイプのパスポートと新タイプのパスポートの比較から個人証明書のICチップ導入化について解説します。

2022年7月1日よりICチップ入りのパスポート導入

ベトナムはこれまでICチップが入っていないパスポートが使用されていましたが、2022年7月1日以降発行のパスポートにはICチップ入りのパスポートが発給されます。通達73/2021/TT-BCAでは新しいパスポートの形式が記載されており、また同通達の第6条第3項によると2022年1月より前に発給されたパスポートは記載の有効期限までは使用ができるとされています。

日本のパスポートでICチップが導入されたのが2006年でしたので、ちょうどその時のような移行が現在行われているということになります。因みに2022年7月1日までパスポートの発給は特別の事情がある人以外一時的に停止されており、出張や医療による渡航など限られた理由を持つ人のみ発給処理がされています。

ICチップの導入はパスポートに先立ちIDカードから始まった

(公安案内の新しいIDカード見本。旧式は折れやすく強度が弱かった。)

ベトナムは個人の証明書として「Chứng Minh ThưあるいはChứng Minh Nhân Dân」と呼ばれるカードが使われていましたが、こちらも現在ICチップ入りのカード「Căn cước công dân」に移行されています。ICチップ入り以前のものは情報量が少なく、役所などでの手続きに煩雑な作業が増える原因となっていましたが、ICチップの導入により情報が一括化され役所での手続きの簡略化が実現しています。またパスポート同様にICチップの導入によりカードの偽造が困難になり、それにまつわる犯罪の防止にも役立っているようです。

パスポートや個人証明の旧式も有効期限までは今のところ使えますので、政府は国民が広く新版を持つのには数年かかると見通しています。日本人はベトナム人のパスポートやIDカードに触れる機会は中々ないと思いますが、自社の従業員が海外出張に行く機会などがある場合、このような改正が最近あったということを頭の片隅に置いておいてもいいかと思います。

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