ベトナム人が好む数と嫌う数

ベトナム人にとって縁起の良い数字、悪い数字とはどういった数字でしょうか?

「8」や「9」を筆頭に好まれ、悪い数字としては特定の数字よりも数字の並びを嫌う傾向があります。

ベトナムでは縁起の意味で好まれる数、嫌われる数というものがあります。特に電話番号や車、バイクなどのナンバープレート、企業の口座番号などは数字の並びを気にする人も多く、理想の番号を手に入れるために大金を支払って手に入れる人もいます。今回はベトナム人にとっての数について解説します。

綺麗な数字とは?

ベトナムでは好まれる数字のことを「số đẹp(綺麗な数字)」といいます。

少しベトナム語の話になりますが、sốは「数」、đẹpは「きれいな」という意味ではありますが、この場合正確には「縁起の良い数字」と訳したほうが日本人的にはしっくりくるでしょう。đẹpは日本語に直訳すると様々な意味があり、女性に対しては「美人」を表しますし、男性や物に対してであれば「かっこいい」という意味となります。他にも内装や色合い、風景などにも使われ、総じて「話者にとって好ましい見た目」という意味で捉えることができます。

ではベトナム人にとっての「số đẹp」とはいくつなのか?まず「8」は幸運をもたらす数字として好まれています。日本でも8は漢数字で「末広がりの八」として縁起が良いと言われていますが、ベトナムでも縁起の良い数字としてよく用いられます。口座番号やナンバープレートなどで8が連続しているものは人気があったり、お金を払ってそういった番号のものを手に入れる人もいます。

他にも「9」や「6」、「1」なども好ましい数字とされており、それぞれの由来は中国に起源があるというのが一般的となっています。

ベトナム人にとって忌み数字とは?

日本人にとっての忌み数字は一般に「4」とされる一方で、ベトナムでは特定の数字を嫌うということはありません。一応4も良くない数字とは言われますが、それ以上に特定の数字の並びを嫌う文化があります。それらの数字は多岐に渡るので全てを把握しているベトナム人は恐らくほとんどいないかと思いますが、以下に代表例を挙げてみます。

13:西欧由来。マンションやビルの階でも使われないことが多いです。

49、53:この歳で亡くなる人や災難に遭う人が多いらしいです。日本の厄年みたいなものでしょうか。

他にも一定の数字の並びの発音がベトナム語の悪い言葉の発音に似ているなど、気にしだすとキリがないようなものがたくさんあります。

おまけ:ビールの「333」は?

数字ということでビールの「333」についても触れておきます。名前が数字だけというインパクトがあるベトナムビールですが、これも何か縁起が良い由来があるのでしょうか?この謎は製造元の歴史を辿ることで分かってきます。まず昔「33」というビールを製造していた会社があったことから始まります。

(1950年頃。ビールは高級品で一部の高官や外国人が愛飲していた)

「33」は当時0.33Lの単位で売られていたことが由来とされており、この製品をSabeco社が引き継いで現在の「333」が誕生します。「33」の製品をリスペクトした上で更に「3」を加えた形となりますが、この加えた3には「繁栄するための3つの才能」の他、製造手法のフランス、ビールの原料のドイツ、実際に製造するベトナム、という3つの国という意味もあるとされています。

つまりビールの「333」は縁起の良い数字という観点での由来ではなさそうです。

以上、ベトナム人にとっての数を見てきました。日本人が会社の携帯電話番号を持つ際、ベトナム人スタッフが気を遣ってベトナム人的に「số đẹp」な番号を手配してくれることがあります。話のネタとして一度ご自身の電話番号がベトナム人的に「số đẹp」なのか確認してみてはいかがでしょうか。

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