今年の初めに交通違反に対する罰則が大幅に強化されたベトナム。罰金額がこれまでの倍以上になったり、適用が歩行者にまで拡大されたりするなど、現地で生活する身としては他人事ではありません。そんな罰則強化を実施して、交通にどのような変化があったのでしょうか。今回は実際にバイクを運転して街を走っている、私の目線から感じたことを書きます。
(*本記事はフリーペーパー「Walking Vietnam」4月号に筆者が寄稿しているコラムを転載しています。)
信号無視が改善された
罰則強化の中で、信号無視が大幅に改善されたと感じています。警察も改正直後は、信号無視を厳しく取り締まっていたこともあり、無視したらヤバいという感覚が大分根付いたのではないでしょうか。ベトナム人の間でもネタにされており、某大通りにおける改正前と後の信号無視の度合いを比較した動画がSNS上に投稿されていました。
ところが改正後は、信号無視どころか、全車両がぴったりと停止線手前で停まっています。他にも、信号が黄色になると加速して抜けてしまうのではなく、減速して停止する車両が増えたようにも感じます。まあ、そもそもこれが普通と言ってしまえばそこまでなんですが…。
飲酒運転

飲酒運転も、過去の罰則強化以降かつてよりは減っています。警察は、昼間からよく分からないところで飲酒検問をしていますので、いつ抜き打ちで検査をされるか分からないという心理が抑止につながっているのではないでしょうか。ただ、こちらの検問は警察がランダムで検査対象者を選ぶというスタイルで、検問前を通る全ての運転手を検査しているわけではありません。なので、選ばれる人は警察的に「何となく飲んでる可能性がありそうな人」ということなのかもしれません。
実際に選ばれているバイクの運転手を見ていると、スーツを着ているビジネスパーソン風の人や、後ろに子どもを乗せているような人はまず選ばれていません。
歩行者の交通ルール順守は?
今年の改正で厳しくなったのが、歩行者の交通ルール違反です。具体的には、信号無視や横断歩道がない場所での道路横断などが挙げられます。ベトナムの道は横断歩道や歩道橋がそれほど多くなく、ついうっかり渡ってしまいそうなものですが、私の周りでもそれにより罰金を取られた人がいますのでご注意下さい。
外国人旅行者などに対しても、どこまで厳しく取り締まっているのかは定かではありませんが、法的にはそこも例外ではありません。歩行時は、他の車両にぶつけられないよう気を付けるだけでなく、無意識のうちに違反していたなんてことがないよう意識したいものです。
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