ベトナムの夏休みは長い

9月から新学年が始まるベトナム。感覚的に、1年の区切りはテトか9月とするベトナム人が多く、日本人にとっての4月のような位置づけです。新学年を迎える前に学生は夏休みがあり、この夏休みが日本と比べて非常に長いです。今回は、ベトナムの学生にとっての夏休みについて書いていきます。

(*本記事はフリーペーパー「Walking Vietnam」8月号に筆者が寄稿しているコラムを転載しています。)

夏休みは3カ月!?

ベトナムの学生の夏休みは、おおよそ3カ月あります。時期は6月初めから9月初頭の祝日までです。日本の場合は約1カ月から1カ月半、大学生でも2カ月なので、その長さには驚きです。ただし、春休みや冬休みといった他の季節の休みはありませんので、年間の休みの日数は日越で同じぐらいになるでしょうか。北部や中部は、四季の関係上5月から8月が厳しい暑さとなりますので、この期間の夏休みは合理的とも言えます。

子どもの休みが長いと困る?

長い夏休み、まだ親の手から離れていない年頃の子どもをどうするかはあれこれ考えることになります。ベトナムでは夫婦共にフルタイムで働く家庭が一般的ですが、子どもを朝から夕方まで家に放置するわけにはいきません。祖父母が同居している場合はある程度世話をお願いできるものの、日中家にずっといると子どもは退屈するものです。そこで、夏休み中も学校と同じような時間帯で教育を行う、民間施設のようなところに子どもを通わせる親が多くいます。学費は通常の公立学校よりも高いところがほとんどなので、この時期は教育費がかさむ時期にもなります。

田舎へ送るも?

田舎に実家がある場合などは、子どもを一定期間実家に預けるという親はめずらしくありません。日頃直接会うことができない祖父母は孫の帰省を歓迎しますし、親にとっても教育費の金銭的負担や家庭での家事負担が軽減されるので一石二鳥です。ただ、田舎は子どもにとって遊ぶ手段が限られるので、ある程度過ごすと飽きてしまい、自分の家に帰りたがる子どもが多くなると聞きます。近所に一緒に遊べる年の近い友達がいればいいのですが、そういう存在がいなければすぐに退屈してしまう気持ちも分かります。

昔は3カ月の夏休み中、ずっと遊び回るだけだった子どもも多かったみたいですが、現在は塾通いなど新学年に向けた予復習に勤しむ子どもがたくさんいます。ベトナム人の親世代から見ても、今の子どもたちは自分が子どもの頃よりも大変だと感じているそうです。

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